2018/05/30(配信元:FCオーナーズ運営事務局)
フランチャイズで起業した経営者は、2種類に分かれます。加盟店としてFC本部と良好な関係を築ける経営者と、そうでない経営者です。
当然、前者のほうが事業も円滑に進む傾向にあります。では、FC本部と良好な関係を築くには、どのようにすればよいのでしょうか。それは、加盟店の役割を考えると見えてきます。
ここでフランチャイズについておさらいしておきましょう。フランチャイズとは、以下のようなモデルを指します。
「事業者(フランチャイザー)が他の事業者(フランチャイジー)との間に契約を結び、商標、サービス・マーク、トレード・ネームその他の営業の象徴となる標識、経営のノウハウを用いて、同一のイメージのもとに商品の販売その他の事業を行う権利を与え、一方、フランチャイジーはその見返りとして一定の対価を支払い、事業に必要な資金を投下してフランチャイザーの指導および援助のもとに事業を行う両者の継続的関係」
ここに記載されている通り、フランチャイザー(本部)はフランチャイジー(加盟店)に対して、開発した経営システム・ノウハウおよび、そのフランチャイズ本部の商品・サービス、商標などが含まれるフランチャイズ・チェーン店を運営する方法(フランチャイズパッケージ)を提供します。フランチャイジーは、これに対する対価をフランチャイザーに支払い、事業を運営します。これが加盟店の役割です。
なお、加盟店は、以下のような本部機能を事業運営の対価として直接的もしくは間接的に利用することになります。
FC本部と加盟店との関係は、何も複雑ではありません。こういう方に対して、どのような印象を抱くでしょうか。
このような方には、どうしても視線を向けてしまうものです。
FC本部を運営している方たちも、みんな「人」です。ロボットではありません。FC本部とよい関係性を築いたほうがビジネスの点でも有利に働くことは言うまでもありません。
加盟店オーナーが聞く耳を持てば、FC本部のスーパーバイザーも相談に乗ってくれることでしょう。また、常にコミュニケーションを取っていれば、さまざまな有益な情報も入ってきやすくなります。
FC本部のスーパーバイザーは、加盟店の運営を円滑に進め、売上を上げるために努力をしてくれます。マラソンでいえば伴走者のようなもの。加盟店の成績が上がれば喜び、社内からも評価されるのです。
伴走者であるFC本部のスーパーバイザーの意見を尊重したり、建設的な内容や課題的な意見を出したり、互いに何でも話し合えたりする関係性を保つことも、加盟店オーナーの大切な役割のひとつといえます。
今回は、加盟店の役割から考えてみましたが、FC本部にも「立地調査や売上・収支予測を提示したか」「虚偽または誇大な説明をしていないか」といった情報提供義務が役割として問われます。また、加盟店が満足するサービスを提供し続けられているかといったことも常に本部自身が検証していかなければなりません。
加盟店とFC本部の双方が役割を全うすることが、良好な関係を築くためには欠かせません。どのFC本部をパートナーとして選ぶか、加盟店としての選択眼にもかかっているのです。
中西 理翔
フランチャイズアドバイザー
大阪府生まれ。大阪樟蔭女子大学卒業。 カーアクセサリーメーカー勤務後、翻訳会社の社長秘書、英会話 スクールの受付など、さまざまな職種に携わる。その後、フリーのプランナーとして活動。1990年、コンセプト型の日本の割烹料理屋「あじふく」を開店させ、女将として1年間従事し有名店に導く。1991年、第二創業。 マーケティングプランナーを経て、現在のIT関連事業経営に至る。現在は、会社設立23期目を迎える。6年前に発足したフランチャイズソリューション事業部フランチャイズステーションでは、各種コンサルタントと提携し、フランチャイズ本部立ち上げなどに力を入れ、フランチャイズの学校を研修形式で開催。アジアを中心に日本のフランチャイズパッケージを海外に広めることに注力している。
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