2018/08/01(配信元:FCオーナーズ運営事務局)
夢の独立開業。
フランチャイズ加盟契約を締結した場合、初めての店舗オープンに向け、ワクワクしたり、不安になったりしながら、開業準備を進めているかもしれません。
しかし、開業準備期間は、
1円もお金が入ってこず、
開業資金や開業までの生活費などお金が出ていく一方。
開業前の期間はずっと『資金を切り崩していく状態』であることを忘れてはいけません。
もしも現在、開業準備中かつ、まだ退職されていないとしたら、フランチャイズ店オープンに向けた『開業スケジュール』と『開業までに必要な開業資金』の計画を綿密に立てた上で退職することをおすすめします。
そして『開業までにすべきことは何があるのか』『いつ・いくらキャッシュアウトするのか』という計画を綿密に立て、オープン前に資金が底をついてしまうようなことが無いようにしましょう。
さまざまなフランチャイズ業態の中でも特に下記の3業態は、オープンするまでに長い時間を要します。
〜オープンに時間を要する業態〜
さらに、『人材募集』『物件を探す』ことが必要なフランチャイズ業態であれば、『想定通り人材が見つからなかった・物件が見つからなかった』となると、その分オープン時期が遅れます。
「急いては事を仕損ずる」と言われるように、焦らずによい人選や物件決定をしたい方も多くいます。
しかし、ビジネスにおいてはそれだけでは済みません。
「オープン時期が遅れる=キャッシュインが遅れる」
ということを覚えておきましょう。
『お金が出ていくだけの時期』が長くなり、資金は目減りしていく一方、という状態になってしまいます。
加盟契約前に、『物件取得費』や『居抜き物件・内装工事費用』など『大きな項目』においてはもちろん計算していると思います。しかし、これらに関しても状況によって必要な資金は大きく変わります。
例えば、『物件取得費』であれば、
敷金(保証金)は、取得する物件の立地や家主によって3カ月分~10カ月分と大きく変わります。
礼金や不動産仲介手数料も、それぞれ0カ月分~2カ月分と物件によって異なります。
最小でいえば、家賃の3カ月分で収まりますが、最大になると、家賃の14カ月分になる場合もあります。
家賃が30万円とすると、物件を取得するために必要な資金は90万円~420万円と大幅に変わります。
次に『居抜き物件・内装工事費用』ですが、
居抜き物件を完全にそのまま使うことができれば、別途内装工事費はかからずに済みます。
しかし、通常一定の内装は必要になり、内装工事費も取得する居抜き物件によって大きく異なります。
特にフランチャイズの場合は、『全店舗統一のブランドイメージ』を保つ必要があります。そのため居抜き物件をそのまま使うだけでなく、フランチャイズのイメージに合わせるために内装工事が必要になる場合があります。
居抜き物件から大幅に内装する必要があれば、その分内装費用もかかります。
前述のような元々想定しているであろう大きな項目だけでなく、想定していない小さな項目でも、いろいろな費用が積み重なっていきます。一つひとつ細かく何をする必要があり、そのために、いつ・いくら必要という綿密なスケジュールを立てましょう。
細かな項目で言うと、例えば、
などがあげられます。一つひとつは小さな金額でも、重なると数十万~100万以上かかることもあります。
アルバイト募集費用は、1回の募集で必要人数が集まればよいですが、人材難の今、何回も募集をし続けなければ集まらない場合もあります。
さらに、面接のための費用や交通費・滞在費などは、サラリーマンの時代は会社に経費請求できましたが、フランチャイズオーナーになった今は、すべて自分で経費として支払わなければなりません。
そのうえ、物件が決まって内装している間の家賃、人材を採用してオープン前に研修している間のオープン前人件費などもかかってきますし、このオープンするまでの間、一切の収入は入ってこず、生活費はすべて資金を切り崩すことになります。
運営費、生活費など開業資金にご不安がある場合は、店員として働きながら始められるフランチャイズがよいでしょう。
最近では、フランチャイズ本部の直営店にて3カ月~半年、働きながら本部のノウハウを勉強し、その後フランチャイズオーナーとして独立できる、というプランも多く出てきています。
昨今の人材難の時代、フランチャイズ本部も人手が足りません。
3カ月~半年、フランチャイズ本部の直営店としての人材も確保できる、さらにその後のフランチャイズオーナーになってくれるので、店舗も増え、フランチャイズ本部にとっても大きなメリットがあります。
さらに、加盟するフランチャイズオーナーにとっても、お金をもらいながらノウハウを勉強することができ、かつオープンに向けた準備をすることもできます。
資金を切り崩しながら開業前準備するのと、お金をもらいながら開業前準備ができるのとでは、大きな違いがあります。
このようなプランがあるフランチャイズ本部を検討することもひとつの方法です。
以上のように、さまざまな要因によって、開業スケジュールと開業資金は大きく左右されます。
まずは開業前にすべきことを以上のように一つひとつすべて明確にし、『綿密な開業スケジュール』を立て、『いつ、いくら必要なのか』の計画を立てます。
その上で、『自己資金はいくらあって』、『いくら融資を受けられ、いつ入金する予定なのか』を当てはめています。そしてオープンまで、そしてオープン後半年程度の運営費と生活費は問題ないかをチェックする必要があります。
綿密な開業スケジュールと必要な資金を計画してから会社を退社することをおすすめしたのは、上記の理由のためです。
兎にも角にも、資産が減る一方だと、精神衛生上的にもよくありません。
土日で物件を探すなど、会社員を続けながらでもできることがあります。
それらできることがある間は退社せず、開業までの道筋がより明確になった時点で、退職することを強くおすすめします。