2018/07/13(配信元:FCオーナーズ運営事務局)
すべての経営者は、会計管理を理解していたほうがよいのでしょうか。答えはYESです。では、何をどこまで理解しておく必要があるのでしょうか。今回は、フランチャイズオーナーがメガフランチャイジーのオーナーになるための会計管理の考え方について述べます。
人によって多少の違いはありますが、最低限として毎月のキャッシュフロー(CF)と損益(PL) 程度が把握できなければ、経営はできません。
また、「会計を管理する」というと会計処理や税務処理をイメージされるかもしれませんが、本来経営に必要な会計管理は下記の内容です。
この一連のファイナンス行動が、「会計を管理する」ということなのです。
この行動の最終ゴールは、営業キャッシュフローと投資キャッシュフローの最適化です。この行動を継続的に積み重ねることで、フランチャイズのオーナーがメガフランチャイジーのオーナーにもなれるのです。
フランチャイズのオーナーの会計管理に対する考え方と、一般企業の会計管理に対する考え方ではどのような違いがあるでしょうか。
一般企業では、会社経営から発生する営業キャッシュフローが最適化されているのかを検証する必要があります。つまり、売上・粗利益・営業利益・経常利益など、さまざまな「経営指標」が適正水準であるのか、またその設定した適正水準が本当に適正水準なのかを検証しなくてはなりません。
この一連の検証プロセスは、一つひとつの業務フローの改善などに直接関わってきます。
そのため、会社の現場リーダーと管理部門はかなりの負担と時間を要して、適正水準を算出していきます。そして一連の検証プロセスの集大成として、会社に財源が残ります。この財源を適正に再投資することにより、会社としての健全な投資キャッシュフローが生まれ、成長サイクルを築き上げられるのです。
つまり、営業キャッシュフローと投資キャッシュフローの最適化が、会社の成長力を決めるといっても過言ではありません。それほどまでに、「会計を適正に管理する」ということは重要なことなのです。
一方、フランチャイズはビジネスの特性上、営業キャッシュフローは想定しやすいものです。
既にビジネスモデルとして確立されているフランチャイズの場合は、適正な売上、適正な損益分岐点、適正な販売管理費などすべての項目に一定水準が設けられています。
また、その設定された水準が適正であるのか、そうではないのかを検証する手間も省けるため効率的であり、かつ継続的な会計管理する上で非常に有益です。
もちろん、よりよい営業キャッシュフローを求めて、その適正水準をさらに高い水準に設定することもできます。
しかし経営者や現場責任者の立場からすれば、「最低限の適正水準を把握できる」という点だけでも、フランチャイズビジネスは投資効率を最良化しやすい魅力的なビジネスといえるでしょう。言い換えれば、フランチャイズオーナーはフランチャイズ運営から発生する売上、販売管理費用などを適正水準に保ち維持することで、合理的に短時間で営業キャッシュフローを最適化することができます。
では、フランチャイズオーナーがメガフランチャイジーを目指すために本当に考えなければならない「会計管理」とはなんでしょうか。
それは、業務における会計管理すなわち営業キャッシュフローの改善ではありません。 下記のような会計管理のことを指します。
上記のように会計管理をすることにより、投資キャッシュフローは最適化されます。
この会計管理は決して難しく考える必要はなく、積み重ねた収益でフランチャイズの規模を増やすことが基本です。さらにフランチャイズビジネスの会計特性である「収益を想定できる」ことをフル活用し、より効率的にその投資資金の準備をしましょう。
「収益を想定できる」ことは、会社経営における大きな強みです。
この最大のメリットは、次の目標を明確に設定し、数年単位で緻密な計画が立てられるところです。緻密な計画があれば、節税、借入などファイナンスに関するさまざまな経営手段を駆使することが可能になり、より効率的に自己資金を活用できるようになります。
以上のように、会計管理といっても「営業面」「投資面」で必要な知識やノウハウはそれぞれ異なります。
そして、フランチャイズを活用することによって営業面の会計管理は簡素化されます。そのため、より一層「投資面」に注力しなくては、メガフランチャイジーのオーナーになることは難しいかもしれません。
今後、フランチャイズに加盟するオーナー、またはフランチャイズの規模を拡大したいオーナーは、そのフランチャイズのブランド選択をする際に、「営業オペレーションが最適化されているか」言い換えれば、しっかりと「会計管理」はされているのか、という視点を持ちながらフランチャイズブランドを検討することが大切であるといえます。この積み重ねがフランチャイズオーナーからメガフランチャイジーのオーナーになるはじめの一歩になります。