2018/05/18(配信元:FCオーナーズ運営事務局)
フランチャイズの世界においては、常に新しい業種が生まれています。例えば海外では、カフェで顧客の店内の行動に関するデータを蓄積し、IoTやAIで活用するという、もはやITかフードビジネスのどちらが本業か判別できないビジネスモデルも出現しています。
これからフランチャイズの業種比較をするのであれば、最新動向を把握した上で検討するようにしましょう。
フランチャイズの狙い目の業種。これに答えるのは容易ではありません。ただ、昨今の人手不足を鑑みると「できる限り専門性を排除できる業種・業態がよい」というのは、ひとつのポイントといえるのではないでしょうか。
ある有名な珈琲チェーンは、焙煎ではなくリキッド珈琲がメイン。「こだわりの味」というより「ゆっくりとくつろげる場所の提供する」というコンセプトで勝負しています。加えて、冷凍技術が進歩しているため、解凍して提供しやすいパンやピザなどを活用する業態は人気です。オーブンやレンジを使えば、職人不在でも十分おいしいものを提供できます。
この考え方が進化し、今ではローコストオペレーションが注目され、購入から会計まで人が介在しないサービスも増えてきています。これは在庫管理や発注管理にも貢献し、人為的なミス・盗難などをなくす効果も期待されています。
そして、複数の業種を組み合わせた業態もトレンドです。例えば「猫カフェ×雑貨屋」「ファーストフード×本屋」「フード系×携帯修理」など。複数のフランチャイズに加盟し、ひとつの場所で事業を行えば、人件費と家賃のコストダウンを図ることもできます。
また、依然強い人気を誇るリサイクル系をはじめ、今後も増えるのは「エコロジー重視のフードビジネス」「時間や場所、コトのシェアリングビジネス」「エクササイズ系」と予想しています。
これからフランチャイズの業種を比較する際に覚えておきたいのが「継続性」。これまでのフランチャイズモデルは「オーナー=運営者」という図式が一般的でしたが、オーナーが運営にタッチしなくても済む、継続できる投資型が好まれると思います。仮想通貨を活用した投資型のフランチャイズモデルも今後は台頭することになるでしょう。
そんな中で、「社会課題」「女性支援」「子どもの未来」「ロボット技術」といったことは間違いなくキーワードとなるはず。海外展開できるビジネスは将来有望です。
これらを踏まえ、フランチャイズの業種比較をするとき、今では展示会や個別説明会に行かずとも、ポータルサイトなどでも情報収集ができます。中には、ウェブサイトやブログ、YouTubeやメルマガに注力し、あえてイベントには出展しないフランチャイズ本部もあることを知っておきましょう。
それには、理念やビジネスモデル、創業者の想いを、加盟や契約の前に時間をかけて理解してもらいたいという狙いがあり、そうしたほうが、加盟後の加盟店と本部との関係性が良好になりやすいと考えられているからです。
さらに、時期的なことを勘案し、頃合いを考えたマーケティング手法のアプローチのほうが心地よいと感じる層が増えていることも関係しているでしょう。そのため、これからの時代においてフランチャイズの業種比較をするなら、ネット活用は欠かせない手法といえます。
また、フランチャイズの業種を比較し見極める際には、既に上場している、もしくは上場準備しているブランドを候補に入れることもひとつの選択肢です。本部が株式上場していたり、これから上場したりすることで、ブランドの社会的な価値は高いところで維持または向上し、加盟オーナー側の知名度・信用度にもよい影響を与えます。これこそ、本部と加盟店オーナーが運命共同体であるフランチャイズの最大の強みです。
さらに、その経営手腕を学ぶことができれば、加盟オーナー自身が多くのブランドを成功させて上場を果たすというのも夢ではなくなります。
次々に新しい業種・業態が誕生するフランチャイズの世界においては、時代の流れを読んだ上で「継続性」を考慮することが大切です。フランチャイズのみならず、ビジネスは続けていけるかどうかが肝心。最新動向を知り、分析すれば、少し先が見えてくるでしょう。
これからの業種比較に、ネットの活用は不可欠です。SNSをはじめとするネット全般を最大限に活用し、ネットにしかない情報にも目を光らせておきましょう。
中西 理翔
フランチャイズアドバイザー
大阪府生まれ。大阪樟蔭女子大学卒業。 カーアクセサリーメーカー勤務後、翻訳会社の社長秘書、英会話 スクールの受付など、さまざまな職種に携わる。その後、フリーのプランナーとして活動。1990年、コンセプト型の日本の割烹料理屋「あじふく」を開店させ、女将として1年間従事し有名店に導く。1991年、第二創業。 マーケティングプランナーを経て、現在のIT関連事業経営に至る。現在は、会社設立23期目を迎える。6年前に発足したフランチャイズソリューション事業部フランチャイズステーションでは、各種コンサルタントと提携し、フランチャイズ本部立ち上げなどに力を入れ、フランチャイズの学校を研修形式で開催。アジアを中心に日本のフランチャイズパッケージを海外に広めることに注力している。
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